皆さんこんにちは!歯科医師をしている伊藤将吾と言います。このサイトでは、歯科医師の立場から、食べること・噛むことの重要性、お口に関する様々なお悩み・疑問などにお応えして、少しでも皆さんの人生のお役に立つことを使命として情報を発信しています!
口は全ての始まり!(呼吸も、食事もここから始まります!)口は人生を変える!!を合言葉に情報をお伝えしていきたいと思います!宜しくお願いします!
著者:プロフィール
伊藤将吾
歯科医師
口腔外科認定医
ケアマネージャー
あなたのイビキは大丈夫?そのイビキは死のサインかも!?
皆さんの周りにイビキがうるさい方はいらっしゃいますか?もしくは皆さんご自身が見に覚えがあるかもしれませんね!
ちなみにイビキの音はどんな感じでしょうか?
ゴォ〜、ゴォ〜!! すん…..(音が消える)…….ゴォ〜、ゴォ〜!!
こんな感じのイビキの方はいないでしょうか?
これ、……あなたの体に危険が迫ってる合図かもしれません!!
危険って言ってもただのイビキでしょ?
と、思われるかもしれませんが、なんと“死の危険”の可能性もあるのです!!
「えー!!?どうしてイビキで?」と驚かれるかと思いますのでその理由を説明していきたいと思います。
先程のイビキを思いだしてほしいのですが、途中で音が消えていますよね?
これが危険なイビキの合図となることが多いのです!
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)
そもそもイビキは、眠っている時に、喉が様々な理由で細くなり、その狭くなったところを空気が通り抜ける際に、喉を振動させることで音がでる状態のことです。いびきが出ている間は、なんとか狭くなった喉を空気が通り抜けているのですが、音が出なくなった時というのは、喉が完全に閉塞してしまい、空気が全く通れなくなり息が止まった状態(無呼吸)になっているのです。
そして睡眠時に呼吸が止まる時間が長くなったり、頻度が多くなることで睡眠時間は十分なのに、起床時になぜかスッキリしなかったり、日中に眠気を感じることが多くなるといった症状が出ることがあります。この様な病気を睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)と言います。
この睡眠時無呼吸症候群により、日中に眠気が起き、日常生活や仕事の生産性を大きく下げてしまうことがあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の合併症
しかし、本当に睡眠時無呼吸症候群が怖いのは別に理由があります…….
睡眠時無呼吸症候群の合併症として、
高血圧症・・・・・・・・・・約2倍
狭心症・心筋梗塞・・・・・・2~3倍
慢性心不全・・・・・・・・・約2倍
不整脈・・・・・・・・・・・2~4倍
脳卒中・・・・・・・・・・・約4倍
糖尿病・・・・・・・・・・・2~3倍 *全て健常者比較です
出典:1.Nieto FJ,Young TB,Lind BK.JAMA 2000;283:1829-1836
2.Mooe T, Rabben T, Wiklund U.Chest 1996;109:569-663
3.Bassetti C, Aldrich MS.Sleep 1999;22:217-223
4.Punjabi NM, Shahar E, Redline S.Am J Epidemiol 2004;160:521-530
こんなにも沢山の合併症のリスクがあるのです!!
だから、少しでも思い当たることがあれば、きちんと診査・診断を行い、必要があればしっかりと治療を行う必要があります!
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の診査・診断
それではどこ行けば良いのでしょうか?基本的には呼吸内科や耳鼻咽喉科等で診てもらえます。事前に睡眠時無呼吸症候群の検査ができるか確認するとよいと思います!
睡眠時無呼吸症候群の診査
検査には色々な方法があります。PSG(ポリソムノグラフィー)終夜睡眠ポリグラフ検査が代表的な検査です。
睡眠中の脳波とサチュレーションを調べるもので、専用の機械を取り付け、病院に一泊して、技師さんがモニターすることで検査を行います。
他にも簡易的に自宅でも行える検査もあります!
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、重症度によって治療を行います。
睡眠時無呼吸症候群の診断
AHI(apnea hypopnea index)
=無呼吸低呼吸指数とは、睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数により、以下のように診断を行います。
*低呼吸=換気の明らかな低下に加え、動脈血酸素飽和度(SPO2)が3~4%以上低下した状態 or 覚醒を伴う状態
軽症 5≦AHI<15
中等度 15≦AHI<30
重症 30≦AHI
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の治療
重症な患者さんでは、経鼻的持続陽圧呼吸療法(C-PAP:Continuous Positive Airway Pressure)と呼ばれる治療法が選択されます。
これは、機械によって持続的に気道に空気を送り続け、気道を開存させるものです!
そして、もう少し軽症な患者さんではマウスピース治療が選択されます。少し下顎を前方に出した状態を維持するマウスピースを作成して、これを寝ている間だけ使用することで落ち込んだ舌や口蓋垂を前方に引き出して気道を開存させるものです。歯科医院で作成することができます!
マウスピース治療は比較的違和感が少なく、持ち運びも簡便なため、上記のC-PAPと併用してや、C-PAPがどうしても使用できない(違和感など)場合にも使用されます。
お値段も、保険適応が可能なら15000~20,000円弱程で作成可能です。
マウスピースを作成する場合、内科・呼吸器内科としっかりと連携をはかる必要があるため、連携をしっかりとはかっている歯科医院を選ぶ必要があるので注意が必要です。
いかかがでしょうか?大きないびき、日中の眠気、夜中何度も起きてしまう等の症状に少しでも思い当たるなら早めに病院で検査を受けて下さいね!
この記事を読んで一人でも多くの方が、口腔の重要性に気づいてくれたら幸いです。
また随時、皆さんの役に立てる記事を配信していきます。
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