ホワイトニングの嘘・本当~歯科でのホワイトニングと自宅でのホワイトニングの違いとは?~

医療

皆さんこんにちは!歯科医師をしている伊藤将吾と言います。このサイトでは、歯科医師の立場から、食べること・噛むことの重要性、お口に関する様々なお悩み・疑問などにお応えして、少しでも皆さんの人生のお役に立つことを使命として情報を発信しています!

口は全ての始まり!(呼吸も、食事もここから始まります!)口は人生を変える!!を合言葉に情報をお伝えしていきたいと思います!宜しくお願いします!

著者:プロフィール

伊藤将吾

歯科医師

口腔外科認定医

ケアマネージャー

色々なホワイトニング

今日は、ホワイトニングについてお話をしたいと思います。

最近では色々なホワイトニング方法が世間にあふれています。

”自宅で簡単にできる”、”歯を磨くだけでOK!”など

本当にたくさんの方法があります。

しかし、それぞれの方法で何が違うのでしょう?

歯科医院で行うホワイトニングと自宅で行うホワイトニングの違いは?効果などは違うのでしょうか?

これらの違いについてわかりやすくお話しできたらと思います!

歯科医院でのホワイトニング

まず、歯科医院で行われているホワイトニングで使用されている薬剤ですが、基本的には、「過酸化尿素」「過酸化水素」です!

濃度や混ぜられている物質に違いはありますが、基本的にはこの2つです!

過酸化尿素、過酸化水素の作用機序

ではどのように歯が白くなるのでしょう?

過酸化水素=H₂O₂という化学式ですが、H₂O₂は不安定でありH₂O₂→2HOと分解します。そしてこのHOという物質は電荷的に非常に不安定であり、安定しようとして、他の物質から電荷を奪います。

歯の着色物質から、HOが電荷を奪う(酸化反応)ことにより歯の着色物質が小さく分解されます。着色物質がどんどん小さく分解されることで見た目には、歯が白くなっていくのです!

この反応は歯のエナメル質~象牙質まで薬剤が浸透して起こります。

*過酸化尿素の場合も同じ反応が起こります。過酸化尿素が過酸化水素に分解され、そこからは同じ反応が起こります。

ホワイトニングでの光照射

あと、ホワイトニングの際に、光を照射することがありますが、あれはどういう意味があるのでしょうか?

あれは薬剤に含まれた酸化チタンなどの光触媒に、光を当てることで、過酸化水素による酸化反応を促進することでホワイトニングの効果を高めているのです!

その他のホワイトニング

それでは次に歯科医院ではなく、ネットやお店で買える商品によるホワイトニングはどういうものなのでしょうか?

最近では光照射も自分でできる、みたいな商品もありますよね?

基本的に、歯科医院で使用している過酸化水素・過酸化尿素は「医薬品」であり、”お店で買える”、ものや、”セルフホワイトニング”といったお店では使用することができません。

代わりにポリリン酸、炭酸カルシウム等の成分を使用しています。*これらは歯磨き粉などにも含まれているものです

これらは汚れを落ちやすくするものではありますが、”分解”したり”漂白”したりするわけではありません。根本的にホワイトニングとは異なるものです。歯の内部に浸透することもないので、歯の表面の汚れにしか効きません。

さらに言えば、”自分で光を当てる”商品に関しては、光触媒やそれに反応する過酸化水素などの薬剤がないと光を当てる意味がないのですが、いったい何のために光をあてているのか…

*薬事法的にそれらは歯科医師・歯科衛生士の国家資格がないと扱えないので逆にもし入っていたら違法です!

*アメリカでは過酸化水素入りの薬剤も市販で出回っているため、通販を使えば日本でも、これらの薬剤が手に入ります。しかし、これらは欧米人向けに作られた商品であり、日本人には向かないものもあります。また、何か重篤な副作用が出ても、全て自己責任となります。

間違って欲しくないのは、セルフホワイトニングにもメリットはあります!

まず安価であること!、そして知覚過敏などの症状がでづらいなどがあります。

両者の違いをしっかりと理解したうえで、目的に応じて方法を選んで欲しいと思います!

もう一つ注意として、歯を白くする前に、その歯に虫歯などがある場合、先にその虫歯の治療をしないと薬剤がしみて痛みが出る等の症状がでることがあるので先に歯医者さんで診てもらった方がいいと思います!

この記事を読んで一人でも多くの方が、口腔の重要性に気づいてくれたら幸いです。

また随時皆さんのお役に立てる記事を発信していこうと思います!

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